『個』としての力 『組織』としての力

組織に属していると、自身の仕事の成果のどこまでが『組織』の力で、どこからが『個』の力なのかが分かりづらい。
特に、組織が大きくなればなるほど、それが『組織』としての力なのか、『個』としての力なのかを把握することが難しくなる。

巨大組織に属し、自分が商品という仕事だったおかげで、

社会人1年目から自分の市場価値を数値として知ることができた。
ただ、それは、本当の意味での『個』の力ではないことは分かっていた。
『個』として同じ人間であるにも関わらず、組織名によって『個』の価値に何倍もの付加価値が付くということを知っていたから。

『組織名』+『個人名』では、本当の意味で『個』としての価値は分からない。

本当の意味で『個』の力を把握できるチャンスが来たのは25歳の時だった。
突然舞い降りてきた技術書籍を執筆する仕事。ペンネームで書籍を書いた。

週刊アスキーの売れている書籍ランキングに入り、
書店に平積みされている書籍を見た時の感動は、20年以上経った今でも鮮明に覚えている。
人生で初めての「印税」が振り込まれた時、本当の意味で『個』としての力を実感することができた。

巨大企業に属していると、『組織』としての力を『個』の力と勘違いする人もいる。
自分の『個』としての力を、自分自身で把握することができていれば、
自分が置かれた場において、自分の『個』としての力を発揮することができる。

『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である』(チャールズ・ダーウィン

自然界だけじゃなく、ビジネスの世界でも同じ。環境の変化に適応できない人は、生き残ることが難しい。
そして、生き残ることができない理由を、人のせいとか、周りのせいにしがち。

自分で何かを変える努力をしないと、周りや世の中は変わらない。
人のせいとか、世の中のせいにしてても、何も変わらない。
だから、自らが変化したいと考え、自らが動く。

各自が『個』としての力を把握しながら、『組織』を強くしていく。
そんな組織が創りたい。